症例報告
60代男性|約10mで右臀部〜下肢に痛みが出る間欠性跛行|YNSA・鍼灸の症例
2026.08.19
約10m歩くと右臀部から下肢に痛みが出る間欠性跛行
60代・男性・大磯町在住
ご来院時のお悩み
右下肢のしびれと痛みが続き、
長く歩くことが難しいとのことで来院されました。
特につらかったのが歩行で、
約10m歩くと右臀部から下肢にかけて痛みが現れ、
そのまま歩き続けることが難しい状態でした。
日常生活にも支障があり、ご本人からは、
「鍼治療が最後の希望です」
というお話もありました。
まず現在の症状や身体の反応を確認し、
施術前後の歩行状態を比較しながら進めることにしました。
- 右下肢のしびれ
- 右臀部から下肢にかけての痛み
- 間欠性跛行
- 約10mの歩行で痛みが強くなる
- 長い距離を続けて歩くことが難しい

施術前に身体の状態や動きを確認し、その日の施術内容を考えます(施術イメージ)
間欠性跛行がある場合に大切なこと
間欠性跛行は、
歩くと臀部や下肢に痛み・しびれなどが現れ、
歩き続けることが難しくなる状態です。
腰部脊柱管狭窄症など腰椎由来の神経症状でみられることがありますが、
下肢の血流に関係する病気などでも起こることがあります。
歩ける距離が急に短くなった、筋力低下が進んでいる、
足が冷たい・色が変わる、安静にしていても強く痛む、
排尿・排便の異常などがある場合には、
鍼灸院だけで経過をみず医療機関へご相談ください。
施術前に確認した身体の反応
YNSA(山元式新頭鍼療法)の診察では、
合谷診や首診などを用いて身体に現れている反応を確認しました。
合谷診
- 右頸椎領域
- 腰椎領域
- 大脳領域
首診
- 心包
- 肝
- 胆
そのほか、F点などにも反応がみられました。
東洋医学的には脈や全身状態などから
腎虚を中心に考え、
局所への施術だけでなく経絡治療も組み合わせることにしました。
行った施術
- YNSA(山元式新頭鍼療法)
- 経絡治療
- 臀部・下肢への鍼
- 腓骨神経周囲への低周波鍼通電療法
- 円皮鍼
初回施術
初回はYNSAと全身への施術を行いました。
しかし、施術後に歩行状態を確認しても、
この日は大きな変化を確認することができませんでした。
長期間続いている症状でもあったため、
一度の結果だけで判断せず、
次回来院時にも身体の反応と歩行状態を確認することにしました。
2回目|YNSAの施術点ごとに歩行を確認
2回目は、
YNSAで確認された反応点を一つずつ施術し、
その都度実際に歩いていただき、歩行時の痛みを確認しました。
まず基本点へ施術すると、
患者さんから歩行時の痛みにわずかな変化があるとの感想がありました。

YNSAでは身体の反応を確認しながら、使用する頭皮のポイントを選びます(施術イメージ)
大脳点・A点への施術後
→ 患者さんの感覚では、施術前と比べて約3割軽く感じる。
Iソマトトープの腰椎領域への施術後
→ 約5割程度軽く感じる。
F点への施術後
→ 約7割程度軽く感じる。
※割合は患者さんご本人が施術直後に感じた歩行時痛の主観的な変化です。
このように施術点を追加するごとに確認を行い、
どのように症状が変化するかをみながら施術を進めました。
その後、脈や身体の状態を確認し、
経絡治療による全身への施術を行いました。
臀部・下肢への鍼と低周波鍼通電療法
YNSAと経絡治療後に再度歩いていただくと、
右臀部にはまだ若干の痛みが残っていました。
そこで腹臥位になっていただき、
臀部の坐骨神経周囲や下腿の腓骨神経周囲など、
症状と関連する部位へ鍼を行いました。
さらに身体の反応をみながら、
低周波鍼通電療法を組み合わせました。

腰部・臀部・下肢など、症状と身体の状態に合わせて必要な部位へ鍼を行います(施術イメージ)
2回目施術後の歩行
施術後、再び院内を歩いていただきました。
この時点では、歩行時の痛みを感じないとのことでした。
最後にF点へパイオネックス(円皮鍼)を貼付し、
この日の施術を終了しました。
※院内で施術直後に歩行した際の患者さんご本人の感想です。
長距離歩行や、その後の日常生活でも同じ状態が続くことを示すものではありません。
この症例の経過
初回施術では大きな変化はみられませんでした。
一方、2回目ではYNSAの施術点を変えるたびに
歩行時の痛みを確認したところ、
患者さんの主観では段階的な変化がみられました。
さらに臀部・下肢への鍼や低周波鍼通電療法を行い、
施術直後の院内歩行では
痛みを感じないとのことでした。
ただし、間欠性跛行は
「その場で歩けたか」だけで経過を判断することはできません。
日常生活で実際にどの程度歩けるのかを、
その後も確認する必要があります。
今後確認していくこと
- 実際に歩ける距離
- 痛みが出るまでの時間
- 右臀部から下肢の痛み
- 下肢のしびれ
- 筋力の変化
- 日常生活での歩きやすさ
施術直後だけでなく、
日常生活の中で歩行距離がどのように変化するかを
確認しながら継続して施術を行います。
この症例から
今回の症例では、
初回施術では大きな変化がありませんでした。
しかし2回目には、
YNSAで身体の反応を確認しながら施術点を一つずつ変え、
その都度歩いていただくことで、
患者さんが感じる歩行時痛の変化を確認しました。
そのうえで、経絡治療による全身への施術と、
臀部・下肢への鍼を組み合わせました。
たかはし治療院では、
一度の施術結果だけで判断せず、
実際に歩く・動かすなどして施術前後の状態を確認しながら、
その日の身体に合わせて施術内容を調整しています。
※掲載している症例は一例です。
身体の状態や施術後の変化には個人差があります。
同じ症状の方に同じ変化が起こることを保証するものではありません。
間欠性跛行は、腰椎由来の神経症状だけでなく、
血管性疾患などが関係する場合もあります。
症状が強い場合や悪化している場合には、
必要な医療機関で検査・診断を受けることが重要です。
腰から臀部、太もも、ふくらはぎ、足にかけての
痛みやしびれ、歩行時のつらさなどについて、
当院の施術の考え方をご紹介しています。




