コラム
病院で異常なし。でもめまい・息苦しさが続く方へ|大磯の経絡治療とYNSA頭皮はり
YNSAめまい経絡治療自律神経
それでも不調が続いている方へ
検査で大きな異常が見つからなかったことは、安心材料の一つです。
しかし、めまい・息苦しさ・だるさなどが残っていれば、
「では、このつらさは何なのだろう」と感じるのも自然なことです。
たかはし治療院 院長 高橋道明
はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師
最終更新:2026年9月
「病院で検査を受けたけれど、異常はないと言われた」
「それでも、めまいや息苦しさ、だるさが続いている」
「自律神経の問題ではないかと言われたけれど、本当にそれだけなのだろうか」
このようなお悩みで来院される方は少なくありません。
検査で大きな異常が見つからなかったことには安心する一方で、
症状が残っていると「では、このつらさは何なのだろう?」と不安になる
こともあるでしょう。
「異常なし」と言われたからといって、今感じている症状そのものが否定されたわけではありません。
一方で、「検査で異常がない=自律神経の乱れ」と決めることもできません。
めまいには内耳、脳、血圧、循環器、薬剤などさまざまな背景があり、
息苦しさにも呼吸器、心臓、貧血など多くの原因があります。
また、疲労、睡眠不足、首肩の緊張、精神的なストレス、
生活リズムの変化などが症状の感じ方に影響している場合もあります。
この記事では、
「異常なし」と言われた後の考え方、めまい・息苦しさで再受診したい症状、慢性的なめまいで知られるPPPD、そして当院で行っている経絡治療・YNSA(山元式新頭鍼療法)・鍼灸・あん摩マッサージ指圧
について、公的機関・学会・研究論文なども参考にしながら解説します。
病院で「異常なし」と言われたら、どう考えればよい?
病院で診察や検査を受け、
「特に異常はありません」と説明されることがあります。
一般的には、
その時点で行った診察や検査の範囲では、症状を説明する明らかな異常や重大な病気が確認されなかった
という意味で考えるのがよいでしょう。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会でも、めまいでは詳しい問診、眼振検査、聴力検査、神経学的検査、必要に応じて血液検査・CT・MRIなどが行われる一方、
検査をしても診断がつかないケースがあることが説明されています。
同時に、生命に関わるような重大な病気を否定できること自体にも、検査を受ける大きな意味があります。
「検査で異常がない」と「症状がない」は同じ意味ではありません。
一度の「異常なし」が、その後もずっと大丈夫という意味ではありません
症状は時間とともに変化することがあります。
以前に検査を受けた時と比べて、症状の強さ、現れ方、一緒に起こる症状などが変わっている場合には、改めて医療機関で評価した方がよいことがあります。
そのため、
「前に検査したから、今後どのような症状が出ても大丈夫」と考えないこと
が重要です。
「異常なし=自律神経の乱れ」ではありません
病院で大きな異常が見つからなかった方が、
「自律神経の乱れでしょうか?」
と相談されることがあります。
自律神経は、心拍、血圧、消化、発汗、体温調節など、
自分の意思とは関係なく行われる身体の働きに関係しています。
睡眠不足や精神的な緊張、疲労が強い時期に、
動悸、めまい感、胃腸の不調、身体の緊張など複数の症状を感じる方もいます。
しかし、「検査で異常がないから自律神経」「自律神経を整えれば症状が治る」と一律に判断することはできません。
どのような症状が、いつ、どのような場面で現れるのかを整理しながら、必要な医学的評価と身体全体の状態確認の両方を行うことが大切です。
検査で重大な病気がなくても、さまざまな要素が重なることがあります
- 睡眠不足
- 仕事や家事による疲労
- 精神的な緊張やストレス
- 首・肩・背中の強い緊張
- 長時間同じ姿勢が続いている
- 生活時間の大きな変化
- 運動量の低下
- 食事量や食生活の変化
- 服用している薬の影響
一つだけが原因とは限りません。
また、これらがあるからといって、めまいや息苦しさの原因がすべて説明できるわけでもありません。

めまい・ふらつきが続く時に考えたいこと
「めまい」と一言で言っても、感じ方はさまざまです。
- 周囲がぐるぐる回る
- 身体がふわふわする
- 足元が不安定に感じる
- まっすぐ歩きにくい
- 立ち上がるとクラッとする
- 頭が浮いているような感じがする
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会では、めまいの原因として内耳の病気だけでなく、脳や心臓などさまざまな原因があるとしています。
例えば、頭の位置を変えた時に短時間の回転性めまいが起こる良性発作性頭位めまい症(BPPV)、
難聴・耳鳴り・耳の詰まり感を伴うことがあるメニエール病などがあります。
さらに、血圧の変化、貧血、薬剤の影響などがふらつきに関係する場合もあるため、
「ふわふわするから自律神経」と症状の感じ方だけで原因を決めることはできません。
検査で大きな異常がなくても起こる慢性めまい|PPPDという病態
慢性的な「ふわふわする」「不安定に感じる」といっためまいでは、
PPPD(持続性知覚性姿勢誘発めまい)
という病態も知られるようになっています。
PPPDでは、浮動感や不安定感などが3か月以上続き、
立っている時、歩いている時、身体を動かした時、人混みやスーパーの陳列棚など複雑な視覚刺激を見た時に症状が強くなることがあります。
日本めまい平衡医学会ではPPPDの診断基準を公開しており、
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会でも慢性めまいの重要な病態として紹介されています。
PPPDは「検査で何もないから気のせい」という意味ではありません。
また、「自律神経が乱れているだけ」という病態でもありません。
慢性的なめまいが続く方では、このように問診や症状の特徴から診断を進める病態もあるため、必要に応じてめまいを専門とする耳鼻咽喉科などへ相談することも選択肢になります。
息苦しさが続く時に考えたいこと
息苦しさも、「自律神経の問題だから」と自己判断しないことが重要です。
日本呼吸器学会では、息切れにはさまざまな表現があり、
「息がつまる」「胸が圧迫される」「空気がほしい」「十分に息を吸えない」などと感じる場合があるとしています。
また、息切れの背景には呼吸器疾患だけではなく、
心疾患、血液疾患、神経筋疾患、精神的な要因など多くの原因
があります。
- 突然始まったのか、以前から徐々に続いているのか
- 安静時にも苦しいのか
- 歩行や階段で強くなるのか
- 胸痛や胸の圧迫感を伴うか
- 動悸を伴うか
- 咳・痰・喘鳴があるか
- めまいや失神を伴うか
- 医療機関でどのような検査を受けているか
精神的な緊張や不安が強い場面で呼吸が浅く感じられることもありますが、
心臓や肺などの病気が否定されていない段階から「ストレスだけ」と決めることはできません。
「異常なし」と言われた後でも、再受診した方がよい場合
一度検査を受けて異常がなかったとしても、
その後、症状が変化した場合には状況が異なることがあります。
- 突然の非常に強いめまい
- まっすぐ歩くことが難しい
- 手足のしびれ・筋力低下を伴う
- 顔のゆがみがある
- ろれつが回りにくい、言葉が出にくい
- 意識がおかしい、失神した
- 突然の激しい頭痛を伴う
- 急に聞こえにくくなった
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会でも、めまいに意識障害、言葉の障害、運動麻痺、知覚麻痺、激しい頭痛などを伴う場合には、脳卒中などを考慮して救急対応が必要になることを示しています。
- 突然、強い呼吸困難が始まった
- 会話することも難しいほど息苦しい
- 強い胸痛・胸部圧迫感を伴う
- 意識が遠のく、失神する
- 強い動悸と息苦しさを伴う
- これまでにない急激な症状の悪化がある
日本呼吸器学会でも、突然の呼吸困難には肺血栓塞栓症、気胸、心疾患など放置すると重篤になる病気が隠れる場合があり、速やかな医療機関受診が必要としています。
強い症状や神経症状、胸痛を伴う呼吸困難などでは、鍼灸院へ先に相談するのではなく、救急要請を含め医療機関での対応を優先してください。
病院で「異常なし」と言われた不調に、鍼灸では何をする?
たかはし治療院では、
「病院で異常なしだったから鍼灸で治しましょう」
という考え方ではありません。
まず、どのような検査を受けたのか、
症状がいつから始まったのか、
現在どのような症状が残っているのかを確認します。
そのうえで、首肩の緊張、身体の動き、睡眠、疲労なども確認し、
現在の身体の状態に合わせて施術を考えます。
鍼灸は、必要な医学的検査・診断・治療の代わりになるものではありません。
経絡治療とは?
経絡治療は、東洋医学の考え方に基づき、
症状が出ている部分だけではなく身体全体の状態を確認しながら行う鍼灸施術です。
東洋医学では、
「経絡」「気」「血」「臓腑」などの概念を用いて身体の状態を捉えてきました。
これらは、現代医学でいう神経・血管・内臓機能をそのまま指しているものではありません。
たかはし治療院では、脈や腹部なども確認し、
東洋医学的にその日の身体の状態を整理します。
「めまいならこのツボ」
「息苦しさならこのツボ」
と一律に決めるのではなく、
身体全体を確認したうえで、使用する経穴や刺激量を考えます。
経絡治療で確認していること
- 脈の状態
- 腹部の状態
- 首肩や背中の緊張
- 睡眠・疲労状態
- 食欲や胃腸の状態
- 冷えやほてりなど身体全体の状態
こうした所見を東洋医学的に整理し、
その日の身体に合わせて施術内容を調整します。

YNSA(山元式新頭鍼療法)とは?
YNSAは、
Yamamoto New Scalp Acupuncture
の略で、山元敏勝医師によって考案された頭皮への鍼療法です。
YNSAでは、症状や身体に現れている反応を確認しながら、
使用する頭皮の施術点を選択します。
刺鍼後には、可能な場合には身体の動きや圧痛、
患者さん自身が感じている症状などをもう一度確認します。
たかはし治療院では、
YNSAだけですべての症状へ対応するのではなく、
その日の身体の状態に応じて経絡治療や身体への鍼、
あん摩マッサージ指圧などと組み合わせています。

YNSAは、医療機関で必要な検査や治療の代わりになるものではありません。
医療機関での診断内容なども確認しながら、鍼灸施術の一つとして必要に応じて使用しています。
鍼灸・頭皮鍼について、研究ではどこまで分かっている?
鍼灸や頭皮鍼については、さまざまな症状や疾患を対象とした臨床研究が行われています。
例えば、メニエール病を対象とした鍼灸研究のシステマティックレビューでは、
めまい・耳鳴りなどに対して有用な可能性が報告されています。
一方で、その研究では
研究数の少なさ、盲検化の難しさ、評価方法や施術方法のばらつきなど、研究上の限界も指摘されています。
また、頭皮鍼についても脳卒中後のリハビリテーションなどを中心に研究が行われていますが、
近年のシステマティックレビューでも、研究全体として方法論上の問題があり、
エビデンスの確実性には限界があるとされています。
現在の研究から「めまい・息苦しさには鍼灸が効く」「YNSAなら原因不明の症状が治る」と一般化することはできません。
当院では、医学的な診断を置き換える目的ではなく、
身体症状や日常生活上のつらさに対して利用する補完的な施術の一つとして鍼灸・YNSAを位置づけています。
経絡治療とYNSA、どちらを選べばよい?
たかはし治療院では、
患者さんに
「経絡治療かYNSAのどちらかを選んでください」
という形にはしていません。
症状の経過、身体の反応、
医療機関での診断内容などを確認し、
その日の状態によって必要な施術を組み合わせます。
すべての施術を毎回同じように行うのではなく、
その日の身体の状態や施術中の反応を確認しながら調整します。
たかはし治療院では「異常なし」の一言だけで判断しません
病院で「異常なし」と言われた場合でも、
まずはどのような検査を受けたのか、
現在どのような症状が残っているのかを確認します。
また、症状だけではなく、
睡眠、疲労、食欲、首肩の緊張などについても伺います。
- 症状がいつから始まったか
- 症状は突然か、徐々に始まったか
- どのようなめまい・ふらつきなのか
- 息苦しさが起こる状況
- 耳鳴り・難聴・頭痛などを伴うか
- 胸痛・動悸などを伴うか
- 医療機関で行った検査・診断内容
- 服用している薬
- 睡眠・疲労・食欲の状態
- 首肩や身体の緊張
現在の状態から医療機関での確認を優先した方がよいと考えられる場合には、
鍼灸施術だけで様子をみず、
医療機関への相談をおすすめすることがあります。
めまい、頭痛、倦怠感、動悸、不眠、胃腸の不調など、
複数の症状が重なっている方へ、
当院の考え方や施術内容を詳しくご紹介しています。
病院で「異常なし」と言われた方からよくあるご質問
必ずしもそうとは限りません。
症状が続いている、悪化している、以前とは違う症状が出てきた場合には、
再度医療機関へ相談することが大切です。
「異常なし=自律神経」と決めることはできません。
めまい・息苦しさにはさまざまな原因があり、
疲労・睡眠・ストレスなども含めて症状の内容や経過を確認する必要があります。
あります。慢性的な浮動感や不安定感が続く場合には、PPPDなど問診や症状の特徴をもとに診断する病態もあります。
長期間続く場合には、めまいを診療する耳鼻咽喉科などへ相談してください。
息苦しさには呼吸器や心臓などさまざまな原因があります。
新しく症状が出た場合、悪化している場合、胸痛や強い動悸などを伴う場合には、まず医療機関での確認を優先してください。
身体の状態によって組み合わせて行うことがあります。
一律にすべてを行うのではなく、
その日の状態や施術中・施術後の反応を確認しながら判断します。
「鍼灸によって自律神経を正常化できる」と一律に説明することはできません。
現在のお悩みや身体の状態を確認し、必要な医療機関での治療と使い分けながら、補完的な施術として鍼灸を利用します。
服用中のお薬がある場合は、初回にお知らせください。
医師から処方されている薬を、鍼灸を受けるために自己判断で中止・変更する必要はありません。
以前の検査で異常がなくても、
突然の強いめまい、歩行困難、麻痺、ろれつの異常、意識障害、激しい頭痛などが現れた場合には、改めて医療機関での対応を優先してください。
参考文献・参考資料
- 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「頭・顔・くびの症状―めまい・ふらふらする」
- 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「めまい・平衡覚・顔面神経」「めまい・顔面神経麻痺」
- 日本めまい平衡医学会「持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)の診断基準」Equilibrium Research 78巻3号, 2019.
- 一般社団法人 日本呼吸器学会「呼吸器Q&A:坂道や階段を登る時、息が切れます」「発作性もしくは突然呼吸が苦しくなります」
- 一般社団法人 日本循環器学会「一般のみなさまへ各疾患のご案内―不整脈」
- Tang et al. Efficacy and safety of acupuncture in the treatment of Meniere’s disease: a systematic review and meta-analysis. 2024. PMID: 39722819.
- Park SY, et al. Effectiveness of scalp acupuncture and comparison with traditional acupuncture for stroke: an overview of systematic reviews and updated evidence. Systematic Reviews. 2025;14:108. PMID: 40349053.
- Kaneko S, et al. Observer-Blind Randomized Crossover Trial of Yamamoto New Scalp Acupuncture in Diagnosis and Treatment Points for Neck Pain and Shoulder Stiffness in Healthy Participants. Medical Acupuncture. 2025;37(5):382-390. PMID: 41573022.
※本記事は上記資料を参考に一般向けに作成しています。個々の症状について診断するものではありません。症状の経過や緊急性に応じて医療機関へご相談ください。
まとめ|「異常なし」と言われても、症状まで否定されたわけではありません
病院で「異常なし」と言われると安心する一方、
めまいや息苦しさ、だるさなどが残っていれば、
「どうしてつらいままなのだろう」と不安になることがあります。
まず大切なのは、
医療機関で必要な検査を受け、症状に変化があれば改めて相談すること
です。
また、「異常なし=自律神経」と決めつけるのではなく、
めまいの種類、息苦しさの現れ方、薬、睡眠、疲労、首肩の状態などを一つずつ整理していくことも大切です。
慢性的なめまいの中にはPPPDなど、一般的な画像検査だけでは判断できず、症状や経過を詳しく確認して診断する病態もあります。
たかはし治療院では、
経絡治療・YNSA・身体への鍼灸・あん摩マッサージ指圧を一律に行うのではなく、医療機関での診断内容とその日の身体の状態や反応を確認しながら組み合わせています。
それでも不調が続いている方へ
医療機関での検査内容や現在の症状、
睡眠・疲労・首肩の緊張などを確認しながら、
その日の身体に合わせて施術内容を考えます。
院長 高橋道明
はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師




