コラム
手のしびれはなぜ起こる?考えられる4つの原因と受診の目安|大磯・平塚
鍼灸・施術
「最近、指先がジンジンする」
「朝起きた時に手がしびれている」
「首や肩もつらく、手のしびれまで出てきた」
このような症状があると、
「何か大きな病気ではないだろうか」
と不安になる方も多いでしょう。
手のしびれは、
一時的な姿勢によって起こることもあれば、
首の神経、手首や肘の末梢神経、
さらに脳や神経系の病気などが関係している場合もあります。
そのため、
「しびれているから血行が悪いだけだろう」
と自己判断することはおすすめできません。
特に、
急に片側の手がしびれた場合や、
力が入りにくい、
ろれつが回りにくいなどの症状を伴う場合には、
早めの医療機関受診が必要です。
この記事では、
手のしびれで考えられる代表的な4つの背景を中心に、
受診を急いだ方がよい症状、
そして鍼灸で対応を検討する場合の考え方まで
詳しく解説します。
手のしびれで考えられる4つの原因・背景
「手がしびれる」という症状は同じでも、
原因は一つではありません。
しびれる指や範囲、
片手だけなのか両手なのか、
首を動かすと変化するのか、
力の入りにくさを伴っているのかなどによって、
考えられる背景は異なります。
- 一時的な圧迫などによるしびれ
- 頸椎・脊髄・神経根に関係するしびれ
- 末梢神経に関係するしびれ
- 脳に関係するしびれ
ただし、
手のしびれの原因はこの4つだけではありません。
糖尿病などに伴う末梢神経障害、
薬剤、栄養状態などが関係する場合もあります。

手のしびれでは、しびれている場所だけでなく首・肩・上肢の動きなども確認します(施術イメージ)
1.一時的な圧迫などによって起こるしびれ
朝起きた時に、
腕を身体の下にしたまま寝ていて
手がしびれていた経験がある方もいるでしょう。
長時間同じ姿勢で腕や神経周囲が圧迫されることなどによって、
一時的にジンジンした感覚が起こることがあります。
姿勢を変えると徐々に感覚が戻り、
短時間で症状がなくなる場合には、
一時的なものの可能性があります。
ただし、
毎日のように繰り返す、
長時間しびれが残る、
力が入りにくい場合には、
単なる寝方だけの問題とは考えず相談しましょう。
長時間同じ姿勢を続けない
パソコン作業などで
肘や手首を長時間同じ位置に置いている場合にも、
手や腕に違和感を感じることがあります。
机や椅子の位置を見直したり、
作業の途中で手や腕を休ませたりしてみましょう。
「血流を良くするために強く揉む」
必要はありません。
強い刺激によってかえって症状が増える場合もあります。
2.頸椎・脊髄・神経根に関係するしびれ
手のしびれで重要な原因の一つが、
首から腕へ向かう神経に関係するものです。
首の骨である頸椎の周囲には、
脊髄や、
そこから腕へ伸びる神経があります。
頸椎椎間板ヘルニアや加齢による変化などによって
神経根や脊髄が影響を受けると、
首・肩・腕の痛みや
手指のしびれなどが現れることがあります。
首を動かした時に腕や手のしびれが強くなる場合などは、
頸椎由来の症状も考えて確認する必要があります。
しびれだけでなく「力の入り方」も重要です
手のしびれがある場合、
感覚だけでなく筋力にも注意が必要です。
- 箸を使いにくくなった
- ボタンを留めにくくなった
- 物を頻繁に落とすようになった
- 握力が明らかに低下した
- 腕を上げにくい
- 歩きにくさまで出てきた
このような変化がある場合には、
鍼灸だけで経過をみず、
整形外科などでの評価を受けることが大切です。

首肩の状態や上肢の症状を確認し、必要な施術を考えていきます(施術イメージ)
3.末梢神経に関係するしびれ
脳や脊髄から枝分かれし、
腕や手足へ伸びている神経を
末梢神経と呼びます。
手のしびれでは、
この末梢神経が手首や肘周囲などで影響を受ける場合があります。
代表的なものに
手根管症候群や肘部管症候群
などがあります。
手根管症候群
手根管症候群では、
手首を通る正中神経が影響を受けます。
親指、人差し指、中指などを中心に
しびれを感じることがあります。
夜間や朝方に症状を強く感じたり、
手を振ると一時的に楽に感じたりする方もいます。
症状が進むと、
親指の付け根の筋肉が弱くなり、
細かな作業がしにくくなることもあります。
肘部管症候群
肘の内側を通る尺骨神経が影響を受けると、
小指や薬指周囲に
しびれを感じることがあります。
肘を曲げた姿勢が続いた時に
症状を強く感じる方もいます。
どの指がしびれているのかは、
原因を考えるための重要な情報になります。
4.脳に関係するしびれ
手のしびれの中で、
特に見逃してはいけないものの一つが
脳血管障害などに関係する症状です。
脳梗塞や脳出血などでは、
突然身体の片側に
しびれや力の入りにくさが起こることがあります。
手だけではなく、
顔や脚にも症状が出ることがあります。
この場合には、
「肩こりだろう」
「神経が圧迫されただけだろう」
と様子をみないことが重要です。
このような手のしびれは、すぐに医療機関へ
次のような症状が突然現れた場合には、
鍼灸院へ行く前に
医療機関での対応を優先してください。
- 突然、片側の手や腕がしびれた
- 片側の手足に力が入りにくい
- 顔の片側が動かしにくい
- ろれつが回りにくい
- 言葉が出にくい、理解しにくい
- 突然強いめまいが起きた
- 急に歩きにくくなった
- 突然これまでにない強い頭痛が起きた
脳卒中などでは時間が重要になる場合があります。
突然の症状の場合には自己判断せず、
速やかに医療機関へ相談してください。
手のしびれには4つ以外の原因もあります
ここまで代表的な4つの背景をご紹介しましたが、
実際の手のしびれはさらに多くの原因で起こる可能性があります。
例えば、
糖尿病などに伴う末梢神経障害では、
手足にしびれや感覚の変化が出ることがあります。
また、
複数の指に広がるしびれや
両手・両足に症状がある場合には、
局所的な神経圧迫だけでは説明できないこともあります。
長く続くしびれについては、
原因を決めつけず、
必要な検査を受けることが大切です。
手のしびれに対して鍼灸を行う場合
元の記事では
「1〜3は鍼灸治療の適応」
としていましたが、
手のしびれは原因によって対応が異なるため、
一律に判断することはできません。
まず、
いつからしびれているのか、
どの指がしびれるのか、
力の入りにくさがあるのか、
医療機関で診断を受けているのかなどを確認します。
- いつから症状があるか
- 突然始まったのか、徐々に始まったのか
- 片手か両手か
- どの指・どの範囲がしびれるか
- 首を動かすと症状が変化するか
- 痛みを伴うか
- 筋力低下がないか
- 細かな作業がしにくくなっていないか
- 医療機関での検査・診断内容
必要な医療機関での評価を受けたうえで、
症状や身体の状態に応じて
鍼灸やあん摩マッサージ指圧を検討します。
首肩こりを伴っている場合
手のしびれとともに、
首こり・肩こり・肩甲骨周囲のつらさを
感じている方もいます。
その場合には、
首肩周囲の状態や身体の動きを確認し、
必要に応じて首・肩・背部などへ鍼を行うことがあります。
ただし、
筋肉をほぐせば神経の圧迫そのものが治る、
という意味ではありません。
経絡治療では身体全体の状態も確認します
たかはし治療院では、
東洋医学の考え方に基づく経絡治療も行っています。
脈や腹部などを確認し、
東洋医学的にその日の身体の状態を整理してから
使用する経絡や経穴を決めます。
東洋医学でいう経絡は、
現代医学の神経や血管と
そのまま同じものではありません。
症状がある手だけではなく、
身体全体を考えるための
東洋医学的な施術方法として使用しています。
YNSA(山元式新頭鍼療法)を組み合わせる場合
身体の状態によっては、
YNSAを組み合わせることがあります。
YNSAは、
Yamamoto New Scalp Acupunctureの略で、
山元敏勝医師によって考案された頭皮への鍼療法です。
当院では、
身体に現れている反応を確認し、
必要な場合に頭皮の施術点を選択します。
施術前後に可能な範囲で
腕や首などを動かしていただき、
その時点での身体の変化を確認することもあります。

身体の状態によっては、YNSAなど頭部への鍼施術を組み合わせる場合があります(施術イメージ)
手のしびれがある時の日常生活で気をつけたいこと
手のしびれがあると、
「揉んだ方がいいのでは」
「ストレッチをすれば治るのでは」
と考えるかもしれません。
しかし、
原因が分からない段階で
強い刺激を加える必要はありません。
症状が出る状況を記録する
診察や施術を受ける時に役立つのが、
症状が出る状況を整理しておくことです。
- 何時頃にしびれるか
- どの姿勢で出るか
- どの指がしびれるか
- 何分・何時間続くか
- 首を動かすと変化するか
- 仕事中に強くなるか
- 夜間・朝方に強くなるか
このような情報は、
原因を考えるうえで参考になります。
パソコン作業では手首・肘を休ませる
キーボードやマウス操作を長時間続ける場合には、
途中で手や腕を休ませましょう。
長時間手首を曲げたままにしたり、
肘の内側を机に強く押し付け続けたりしないことも
一つの工夫です。
強いマッサージをしすぎない
しびれている場所を強く揉めば
改善するとは限りません。
原因によっては、
症状を刺激してしまう可能性もあります。
長く続く場合には自己流だけで対応せず相談しましょう。
手のしびれについてよくあるご質問
Q. 朝起きた時だけ手がしびれます。大丈夫ですか?
寝ている姿勢による一時的な圧迫で起こる場合もあります。
ただし毎日のように繰り返す、
長時間残る、
筋力低下を伴う場合などは医療機関へ相談してください。
Q. 首こりから手がしびれることはありますか?
頸椎周囲の神経が影響を受けて、
首・肩・腕の痛みや手指のしびれが出る場合があります。
ただし単なる肩こりなのか、
神経に関係する問題なのかは症状だけでは判断できません。
Q. 指によって原因が違うのですか?
しびれている指の分布は、
原因を考える材料になります。
例えば手根管症候群では親指〜中指周囲、
肘部管症候群では小指・薬指周囲に症状がみられることがあります。
ただし自己診断はせず、必要な診察を受けてください。
Q. 手のしびれに鍼灸はできますか?
原因や医療機関での診断内容を確認したうえで、
身体の状態に応じて鍼灸を行うことがあります。
急な症状や筋力低下などがある場合には、
医療機関での評価を優先します。
Q. 手のしびれは揉めば良くなりますか?
原因によって異なるため、
強く揉めば改善するとは限りません。
神経に関係する症状の場合には、
強い刺激を避けた方がよいこともあります。
Q. 片手が急にしびれました。様子を見てもいいですか?
突然の片側のしびれに、
筋力低下、顔の動かしにくさ、
ろれつの回りにくさなどを伴う場合には、
速やかに医療機関へ相談してください。
まとめ|手のしびれは原因を決めつけず確認することが大切
手のしびれには、
一時的な圧迫によるものから、
頸椎、末梢神経、脳などに関係するものまで
さまざまな原因があります。
短時間で消える軽いしびれもありますが、
繰り返す症状や、
何日も続く症状については
原因を確認することが大切です。
特に、
突然の片側のしびれ、
筋力低下、
ろれつが回らないなどの症状がある場合には、
早急に医療機関へ相談してください。
また、
首の神経や末梢神経などが関係する可能性がある場合にも、
必要な検査・診断を受けることが重要です。
たかはし治療院では、
医療機関での診断内容や症状の経過を確認したうえで、
経絡治療・YNSA・鍼灸・あん摩マッサージ指圧などを
身体の状態に合わせて組み合わせています。
しびれている場所だけでなく、
首・肩・上肢の動きや医療機関での診断内容などを確認しながら、
身体の状態に合わせて施術を行います。
たかはし治療院
院長 高橋道明




