コラム
階段で膝が痛い原因は?変形性膝関節症と鍼灸・セルフケア|大磯・平塚・小田原
鍼灸・施術
「階段を上る時に膝が痛い」
「階段を下りる時の方がつらい」
「立ち上がる時に膝が痛む」
「歩き始めに膝がこわばる」
膝の痛みは、
日常生活に大きく影響する症状の一つです。
特に階段の上り下り、
椅子からの立ち上がり、
しゃがむ動作などで痛みが出ると、
外出や仕事、家事まで負担に感じるようになることがあります。
膝の痛みというと、
「年齢のせい」
「軟骨がすり減ったから仕方がない」
と思われることがあります。
しかし、
膝が痛む原因は一つではありません。
変形性膝関節症のほか、
半月板、
靱帯、
膝蓋大腿関節、
腱や滑液包などが関係することもあります。
この記事では、
階段で膝が痛くなる原因、
医療機関を受診した方がよい症状、
日常生活でできること、
そして膝痛に対して鍼灸をどのように取り入れるのかについて
詳しくご紹介します。
膝が痛くなる原因は一つではありません
膝は、
太ももの骨である大腿骨、
すねの骨である脛骨、
膝のお皿にあたる膝蓋骨などから構成されています。
さらに、
軟骨、
半月板、
靱帯、
腱、
筋肉などが協力して
身体を支えながら動いています。
そのため、
「膝が痛い」といっても
原因はさまざまです。
- 変形性膝関節症
- 半月板の障害
- 靱帯の損傷
- 膝蓋大腿関節周囲の痛み
- 膝周囲の腱の障害
- 滑液包の炎症
- スポーツや転倒などによる外傷
- 痛風などによる関節炎
- 感染などによる関節炎
- 股関節や腰など別の場所から関連して感じる痛み
年齢だけで原因を判断せず、
痛みの場所や腫れ、動作との関係などを確認すること
が重要です。

膝だけに一律に施術するのではなく、症状や下肢の状態を確認しながら鍼を行います(施術イメージ)
なぜ階段の上り下りで膝が痛みやすい?
平らな道を歩く時と比べて、
階段では膝を大きく曲げながら
身体を持ち上げたり支えたりする必要があります。
特に、
太ももの前にある大腿四頭筋などが働き、
膝蓋骨周囲を含めた膝関節には
歩行時とは異なる力がかかります。
そのため、
変形性膝関節症や
膝蓋大腿関節周囲の痛みなどがある場合には、
階段で症状を感じやすくなることがあります。
「階段で痛い=軟骨がすり減っている」
と必ずしも判断できるわけではありません。
上りと下りで痛み方が違うこともあります
「上る時に痛い」
「下りる時の方が怖い」
「片足に体重が乗った瞬間に痛い」
など、
症状の出方は人によって異なります。
どの動作で痛みが出るのかは、
膝の状態を考えるうえで重要な情報になります。
変形性膝関節症とは?
中高年以降の膝痛でよくみられるものの一つが
変形性膝関節症です。
変形性膝関節症は、
関節軟骨だけの問題ではなく、
骨や滑膜などを含めた
膝関節全体に変化が起こる病気です。
年齢は一つの関連要因ですが、
体重、
過去の膝の外傷、
筋力、
関節の形状など
複数の要素が関係します。
単純に「加齢で軟骨が摩耗して、
骨と骨が擦れるから痛い」
というだけの病気ではありません。
レントゲンの変形と痛みは必ずしも一致しません
画像検査で膝の変形がみられていても、
痛みがそれほど強くない方もいます。
一方で、
画像上の変化が比較的小さくても
強い痛みを感じる方もいます。
そのため、
画像だけではなく、
痛みや動作、
日常生活への影響を合わせて評価すること
が大切です。
膝の痛みで医療機関を優先したい場合
膝の痛みの中には、
セルフケアや鍼灸より先に
医療機関で確認した方がよいものがあります。
- 転倒・スポーツなどの直後から強く痛む
- 体重をかけて歩くことが難しい
- 膝が大きく腫れている
- 膝が赤く熱を持っている
- 発熱を伴っている
- 膝が引っかかって動かなくなる
- 急に膝が抜けるような不安定感がある
- 膝の変形が進んできた
- 痛みが徐々に強くなっている
- 強い安静時痛・夜間痛が続く
また、
ふくらはぎが急に腫れて痛む、
息苦しさ・胸痛などを伴う場合には
速やかな医療評価が必要です。
膝の痛みに鍼灸でできること
膝痛や変形性膝関節症などに対して、
鍼灸を利用する方もいます。
特に変形性膝関節症に対する鍼灸については、
痛みや身体機能を対象とした研究が行われています。
症状によっては、
鍼灸を補助的に取り入れることで
痛みや日常動作について変化を感じる方もいます。
ただし、
鍼灸によってすり減った軟骨を再生したり、
変形した膝関節を元通りにしたりすることはできません。
「血流を良くして治す」というだけではありません
膝痛に対する鍼灸について、
「血流を改善すれば炎症や痛みが治る」
と説明されることがあります。
しかし、
膝痛は血流だけで説明できる症状ではありません。
当院では、
血流改善や老廃物排出を目的に鍼をする、
という単純な説明ではなく、
痛みの場所や動作、
膝周囲の状態を確認しながら施術します。

痛みがある場所だけではなく、その日の身体の状態に合わせて施術を組み立てます(施術イメージ)
たかはし治療院で膝痛の方に確認すること
当院では、
「膝が痛いから膝のツボに鍼をする」
だけで施術を決めることはありません。
まず、
どのような時に痛むのかを確認します。
- いつから膝が痛むのか
- 痛みが出たきっかけ
- 階段の上り・下りのどちらで痛むか
- 歩き始めに痛むか
- 椅子から立つ時に痛むか
- 腫れや熱感があるか
- 膝が引っかかる感じがあるか
- 膝が抜けるような感じがあるか
- 整形外科での診断・画像検査の内容
- 日常生活で困っている動作
膝以外の動きも必要に応じて確認します
歩行や立ち上がりでは、
膝だけではなく
股関節や足関節なども一緒に動いています。
そのため、
必要に応じて
股関節や足首の動きなども確認します。
ただし、
骨盤のゆがみや姿勢だけを
膝痛の根本原因と決めつけることはしません。
経絡治療を組み合わせることもあります
たかはし治療院では、
身体の状態によって
東洋医学の考え方に基づいた
経絡治療を組み合わせることがあります。
経絡治療では、
脈診や腹診などを行い、
東洋医学的にその日の状態を整理します。
「気」「血」「経絡」などは、
現代医学の神経や血管そのものではなく、
東洋医学の体系の中で身体を捉えるために
用いられてきた概念です。
膝痛では「痛みの数字」だけでなく動作も確認
膝痛の経過では、
痛みがゼロになったかどうかだけではなく、
実際の日常生活がどう変わったかを見ることも大切です。
- 階段を上りやすくなったか
- 階段を下りる時の不安が変わったか
- 椅子から立ちやすくなったか
- 歩ける距離が変化したか
- 朝のこわばりが変わったか
- 買い物や外出がしやすくなったか
- 夜に痛みで目覚めることが減ったか
こうした実際の生活上の変化も確認しながら、
その後の施術を考えます。
膝の痛みを軽減するために日常生活でできること
膝が痛いからといって、
すべての運動や階段を避けて
長期間ほとんど動かないことが
必ずしも良いとは限りません。
状態に合わせて、
痛みを強く悪化させない範囲で身体活動を続けること
が大切です。
1.階段では手すりを利用する
階段の上り下りが不安な場合には、
無理に膝だけで身体を支えようとせず、
手すりを利用して安全性を高めましょう。
特に下り階段で不安定感がある方は、
転倒しないことを優先してください。
2.痛みを我慢して何度も階段練習をしない
「鍛えれば良くなる」と考えて、
強い痛みを我慢しながら
何度も階段を往復する必要はありません。
運動量は、
その時の状態に合わせて調整しましょう。
3.長時間まったく動かない状態も避ける
膝が痛いと、
なるべく動かさないようにしたくなることがあります。
しかし慢性的な膝痛では、
状態に応じた身体活動や運動が
重要になる場合があります。
膝痛では運動療法も重要です
変形性膝関節症などの慢性的な膝痛では、
運動療法が治療の一つとして用いられます。
特に、
太ももの筋肉を含めた下肢の筋力や
身体機能を維持することは大切です。
ただし、
膝が痛ければ全員が同じスクワットをすればよい、
というわけではありません。
椅子を使った軽い膝伸ばし
痛みが強くない場合には、
椅子に座った状態で
膝をゆっくり伸ばす運動などがあります。
- 椅子へ深く座ります
- 片方の膝をゆっくり伸ばします
- 無理のない位置で数秒保ちます
- ゆっくり戻します
- 痛みが増えない範囲で数回行います
運動中や運動後に痛みが強くなる場合には、
回数や方法を見直してください。
自転車運動が合う方もいます
歩行より自転車運動の方が
行いやすい方もいます。
ただし、
膝の曲げ伸ばし自体で強く痛む場合などには
適さないこともありますので、
無理に行う必要はありません。
膝は温める?冷やす?
「膝痛は絶対に温める」
「炎症だから必ず冷やす」
と一律に決める必要はありません。
慢性的なこわばりなどでは
温めると楽に感じる方もいます。
一方、
運動後などに熱感があり、
短時間冷やす方が心地よいこともあります。
温めても冷やしても痛みが強くなる場合には中止してください。
強い腫れ・熱感がある場合には
原因を確認することが優先です。
体重と膝の負担について
変形性膝関節症では、
体重が膝への負担と関係する場合があります。
体重を減らす必要があるかどうかは
一人ひとり異なりますが、
体重が多く、
医師などから減量を勧められている場合には、
食事と身体活動の見直しが治療の一部になることがあります。
極端な食事制限ではなく、
筋力や体力を保ちながら取り組むこと
が大切です。
膝痛の症例を見る時の注意点
鍼灸院のホームページでは、
「階段が楽になった」
「歩きやすくなった」
などの症例が掲載されていることがあります。
症例報告は、
どのような患者さんに
どのような施術を行ったかを知る参考にはなります。
ただし、
一人の患者さんにみられた変化が、
同じ膝痛の方全員に起こるわけではありません。
膝痛の鍼灸は何回くらい受ければいい?
膝の痛みに対して、
「週1回を○か月続ければ改善する」
という決まった回数はありません。
痛みの原因、
症状が続いている期間、
年齢や活動量、
整形外科での診断、
運動療法などによって異なります。
最初から長期間の通院を決めるのではなく、
施術後の痛みや動作の変化を確認しながら相談する
ことが大切です。
膝の痛みと鍼灸についてよくあるご質問
Q. 階段で膝が痛いのは変形性膝関節症ですか?
変形性膝関節症で階段時に痛みが出ることはありますが、
それだけで診断することはできません。
半月板や膝蓋大腿関節周囲など
別の問題が関係することもあります。
Q. 膝の軟骨がすり減っていると言われました。鍼で元に戻りますか?
鍼灸によって
すり減った関節軟骨を元の状態へ再生できるとは言えません。
現在の痛みや身体機能に対する
補助的な施術として利用することがあります。
Q. 鍼灸をすると階段がすぐ楽になりますか?
施術後に動かしやすさや痛みの感じ方が変化する方もいますが、
すべての方に即時の変化が起こるわけではありません。
また、その場の変化と膝の病気そのものの改善は別です。
Q. 膝が痛い時は歩かない方がいいですか?
強い急性痛や外傷がある場合を除き、
慢性的な膝痛では
状態に応じた身体活動が大切になることがあります。
痛みを強く悪化させない範囲で行いましょう。
Q. 膝は温めた方がいいですか?
温めると楽な方もいますが、
すべての膝痛で温めればよいわけではありません。
強い腫れ・発赤・熱感がある場合には、
まず原因を確認してください。
Q. 整形外科と鍼灸を併用できますか?
はい。
整形外科での診断や治療、
リハビリ・運動療法などを続けながら、
状態に応じて鍼灸を補助的に利用する方法があります。
薬を自己判断で中止する必要はありません。
Q. 何回くらい通えばいいですか?
膝痛の原因や症状の期間、
施術後の経過によって異なります。
最初から一律に回数を決めず、
階段・歩行・立ち上がりなどの変化も確認しながら相談します。
まとめ|階段で膝が痛い時は「年齢のせい」と決めつけない
階段の上り下りで膝が痛む方は少なくありません。
変形性膝関節症は代表的な原因の一つですが、
膝痛には半月板、靱帯、膝蓋大腿関節、
腱などさまざまな要素が関係することがあります。
また、
変形性膝関節症も単純に
「軟骨がすり減って骨が擦れる病気」
とだけ考えるものではありません。
強い腫れや熱感、
外傷後の痛み、
歩けないほどの痛みなどがある場合には、
まず整形外科などで原因を確認しましょう。
慢性的な膝痛では、
状態に応じた運動や身体活動が
重要になることもあります。
鍼灸については、
軟骨を再生したり変形を元に戻したりする治療ではありませんが、
痛みや日常動作について補助的に利用する方法があります。
たかはし治療院では、
膝だけを見るのではなく、
階段・立ち上がり・歩行など
実際に困っている動作を確認しながら、
身体への鍼や経絡治療、
あん摩マッサージ指圧などを
状態に合わせて組み合わせています。
膝の痛みが出る動作や、
整形外科での診断内容、
日常生活で困っていることを確認しながら、
その日の身体の状態に合わせて施術を行います。
たかはし治療院
院長 高橋道明




