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コラム

腰痛と腸の関係|便秘・腹部の不調がある時の考え方と鍼灸・YNSA【治療編】

腰痛と腸の関係

便秘・腹部の不調がある時の考え方と鍼灸・YNSA【治療編】

前回の記事では、
腰痛と腸の状態についてご紹介しました。

腰が痛い方の中には、
同時に
「便秘が続いている」
「お腹が張る」
「胃腸の調子が安定しない」
といった症状を訴える方もいます。

以前は、
「腸の動きが悪くなると腰痛を引き起こす」
という形で説明することもありました。

しかし、
腰痛には筋肉や関節、
椎間板、神経などさまざまな原因があり、
便秘や腸の動きだけで腰痛を説明することはできません。

今回は、
腰痛と便秘・腹部不調が一緒にある場合に、
当院ではどのように身体を確認し、
鍼灸やYNSAを組み合わせているのか

をご紹介します。

腰痛と腸の不調は関係するのでしょうか?

「便秘になると腰が重い」
「お腹が張っている時には腰もつらい」
という経験をされる方はいます。

一方で、
便秘や腸の動きが悪いことが、
すべての腰痛の直接的な原因になるわけではありません。

腰痛と腹部症状が同時に現れる背景には、
長時間の座位、
運動不足、
睡眠不足、
食生活、
精神的な緊張、
薬の影響など、
共通する生活上の要因が関係することもあります。

また、
腹部や骨盤内の病気によって
腰や背中へ痛みを感じる場合もあるため、
「腰痛だから筋肉の問題」
「便秘だから腸の問題」
と最初から決めつけないこと

が大切です。

腸は自分の意思だけでは動かせません

腕や脚の筋肉は、
自分の意思で動かすことができます。

しかし腸の動きは、
「今から腸を動かそう」と意識して
自由に動かせるものではありません。

腸には独自の神経系があり、
さらに自律神経やホルモンなども
消化管の働きに関係しています。

そのため、
腸の働きは自律神経だけで決まるわけではなく、
食事・水分・運動・薬・病気など
多くの要因から影響を受けています。

腰痛と腸の不調を一つの原因だけで考えない

便秘・腹部膨満・腰痛が同時にある場合でも、
「自律神経が乱れているから」
「腸の動きが悪いから」と
一つの原因だけに決めつけず、
症状の経過や身体全体の状態を確認することが大切です。

腰痛と腹部不調がある時の鍼灸

当院では、
腰痛と便秘・腹部の張りなどが同時にある場合でも、
「腸を動かすツボ」を決めて
一律に施術するわけではありません。

まず、
現在の症状や生活状況を確認します。

施術前に確認する主な内容
  • 腰痛がいつから続いているか
  • 動いた時と安静時で痛みが変わるか
  • 脚への痛みやしびれがないか
  • 便秘や下痢など便通の状態
  • 腹痛や腹部膨満感があるか
  • 食事・睡眠・運動の状況
  • 服用している薬
  • 医療機関で診断や検査を受けているか

そのうえで、
身体の状態に応じて
YNSA、経絡治療、腰部への鍼、
腹部や背部への施術、
あん摩マッサージ指圧などを組み合わせます。

YNSA(山元式新頭鍼療法)

当院では、
腰痛などの症状に対して
YNSA(山元式新頭鍼療法)
を使用することがあります。

YNSAは
Yamamoto New Scalp Acupunctureの略で、
山元敏勝医師によって考案された頭皮への鍼療法です。

以前は、
「脳のポイント」
「自律神経のポイント」
「腸のポイント」
に鍼をすることで
自律神経を調整すると説明することもありました。

しかし現在は、
「頭皮へ鍼をすれば自律神経が正常になる」
「腸の動きが改善する」
と断定する説明はしていません。

YNSAでは、
手や腕、首などにみられる身体の反応や、
腰の動き、
痛みの出方などを確認しながら
必要な頭皮のポイントを選択します。

施術後には、
可能な範囲で腰を動かす、
立つ、
歩くなど施術前と同じ動作を行い、
その時点での身体の変化を確認します。

腰痛や身体の状態に合わせて行う鍼灸施術

腰だけではなく、身体全体の状態を確認しながら必要な部位へ施術します(施術イメージ)


YNSA(山元式新頭鍼療法)について詳しく見る →

鍼をした後にしばらく休んでいただくことがあります

施術内容によっては、
鍼をした状態で一定時間
ゆっくり休んでいただくことがあります。

以前は、
「30分休むことで脳がリラックスした状態を覚える」
と説明していました。

しかし、
一定時間休むことで脳がその状態を記憶する、
と医学的に断定できるわけではありません。

当院では、
刺激量や身体の状態を確認しながら、
施術後に落ち着いて休んでいただく時間を設けることがあります。

背部・腹部への鍼や温熱刺激

YNSAだけで施術を完結させるとは限りません。

身体の状態によっては、
背中や腰、
腹部などを確認し、
鍼や温熱刺激を用いることがあります。

東洋医学では、
腹部や背部の状態も
身体全体を判断する材料として
古くから重視されてきました。

当院でも腹診や脈診などを行い、
東洋医学的に現在どのような状態なのか
を確認して施術を組み立てます。

ただし、
腹部や背部のツボへ鍼や温熱刺激を行えば
自律神経や腸が必ず正常になる、
という説明ではありません。

経絡治療では脈診・腹診から身体をみます

当院では、
東洋医学に基づく
経絡治療も行っています。

脈の浮き沈み、
強さ、
速さ、
太さなどを確認し、
必要に応じて腹部の状態もみます。

そのうえで、
手足などにある経穴へ
比較的少ない刺激で鍼を行います。

経絡・気・血といった言葉は
東洋医学独自の身体の捉え方であり、
神経・血管・リンパ管などと
そのまま同じものを意味するわけではありません。


鍼灸・経絡治療について詳しく見る →

腰痛そのものへの施術も必要に応じて行います

腹部症状があるからといって、
腰への施術を行わないわけではありません。

腰痛の状態に応じて、
腰部、
臀部、
股関節周囲などの状態も確認します。

脚に痛み・しびれがある場合には、
症状の範囲や筋力、
歩行状態なども確認します。

「内臓からの腰痛」か
「筋肉からの腰痛」かを最初から二者択一で決めるのではなく、
複数の可能性を考えながら身体を確認する

ことが大切です。

腰痛と自律神経について

慢性的な腰痛のある方では、
痛みによって睡眠が妨げられたり、
活動量が減ったり、
精神的に緊張したりすることがあります。

反対に、
睡眠不足や疲労、
強いストレスが続いている時に
痛みを強く感じる方もいます。

こうしたことから、
慢性痛と自律神経について語られることがあります。

ただし、
「自律神経の乱れが腰痛の原因」
「自律神経を整えれば腰痛が治る」
と単純に説明することはできません。

不眠・疲労感・めまいなどもある方へ

腰痛だけでなく、
不眠・めまい・倦怠感など
複数のお悩みがある方への施術について
専門ページで詳しくご紹介しています。


自律神経・不眠・めまいのページを見る →

腰痛と腹部症状が同時にある時に注意したいこと

腰痛とお腹の不調が同時にある場合、
必ずしも筋肉や腸の働きだけが
原因とは限りません。

このような場合には医療機関への相談を
  • 強い腹痛が続いている
  • 発熱を伴う
  • 繰り返し嘔吐する
  • 血便や黒い便が出る
  • 原因不明の体重減少がある
  • 腰痛が急激に悪化した
  • 夜間にも強い痛みが続く
  • 脚の筋力低下が進んでいる
  • 排尿・排便の感覚に異常がある

特に、
急激な症状や排尿・排便障害、
進行する筋力低下などがある場合には、
鍼灸だけで様子をみないでください。

腰痛と腸・鍼灸についてよくある質問

Q. 便秘が原因で腰痛になるのですか?

便秘や腹部膨満と腰のつらさを
同時に感じる方はいます。
ただし、腰痛にはさまざまな原因があるため、
便秘だけを原因と決めることはできません。

Q. 腸は自律神経で動いているのですか?

腸の働きには自律神経も関係しますが、
腸管神経系、ホルモン、食事、水分、
運動、薬など多くの要因が関係しています。

Q. YNSAで便秘は治りますか?

YNSAを行えば便秘が必ず改善すると
お約束することはできません。
当院では腰痛や身体の状態を確認し、
必要に応じて施術方法の一つとしてYNSAを使用します。

Q. お腹にも鍼をしますか?

身体の状態によって
腹部へ鍼や温熱刺激を行う場合があります。
すべての方に同じ施術を行うわけではありません。

Q. 病院で便秘薬をもらっています。やめてもいいですか?

処方されている薬は、
鍼灸を受けるために自己判断で中止・変更しないでください。
薬について気になることがある場合には、
処方した医師や薬剤師へご相談ください。

Q. 腰痛にYNSAと経絡治療の両方を行いますか?

その日の身体の状態によって異なります。
YNSA、経絡治療、腰や臀部への鍼、
あん摩マッサージ指圧などから
必要な方法を組み合わせます。

まとめ|腰痛と腸の不調は身体全体をみながら考える

腰痛のある方の中には、
便秘や腹部の張りなどを
同時に感じている方もいます。

しかし、
「腸の動きが悪いから腰痛になる」
「自律神経を整えれば腰痛も便秘も治る」
と一つの流れだけで説明することはできません。

腰痛には腰椎や神経、
筋肉や関節などの問題が関係することがあります。
また腹部症状にも、
食生活や薬、消化器疾患など
さまざまな要因があります。

たかはし治療院では、
症状の経過や身体の動き、
脈診・腹診などを確認しながら、
YNSA・経絡治療・局所への鍼・
温熱刺激・あん摩マッサージ指圧

などを必要に応じて組み合わせます。

腰痛だけでなく便通や睡眠など
複数の不調を感じている場合にも、
一つの原因に決めつけず
身体の状態を確認していくことが大切です。

腰痛・身体の不調でお悩みの方へ

症状のある場所だけでなく、
身体全体の状態を確認しながら
施術方法をご提案します。


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たかはし治療院
院長 高橋道明