コラム
整形外科で「異常なし」と言われた肩こりはどうする?原因と鍼灸|大磯・平塚・小田原
「肩こりがひどくて整形外科へ行ったけれど、特に異常はないと言われた」
「レントゲンでは問題ないと言われたのに、首や肩はずっとつらい」
「マッサージを受けても、しばらくするとまた重くなる」
「こんな肩こりに鍼灸は役立つの?」
このようなお悩みを持つ方は少なくありません。
肩こりは、
首から肩・肩甲骨周囲にかけて感じる
張り、重だるさ、痛み、不快感などを表す言葉です。
長時間のデスクワーク、
同じ姿勢を続けること、
身体活動、
睡眠、
精神的な緊張など、
さまざまな要素が症状に関係することがあります。
一方で、
「検査で異常なし」と言われたからといって、
肩こりや痛みそのものが存在しないわけではありません。
この記事では、
整形外科で大きな異常が見つからなかったのに肩こりが続く理由、
もう一度医療機関へ相談した方がよい症状、
鍼灸・あん摩マッサージ指圧でできること、
日常生活で見直したいポイント
について詳しく解説します。
整形外科で「異常なし」なのに肩がつらいのはなぜ?
「異常なし」と言われると、
「では、この肩こりは気のせいなの?」
と思ってしまうかもしれません。
しかし、
画像検査で明らかな異常が見つからないことと、
痛みや張りが存在しないことは別です。
肩こりや首の痛みは、
問診、
身体診察、
首や肩の動き、
神経症状の有無などを含めて評価されます。
X線やMRIなどの画像検査は重要ですが、
症状のすべてが画像に写るわけではありません。

肩こりでは、痛む場所だけでなく首・肩の動きや腕の症状なども確認します(施術イメージ)
整形外科は「骨だけを見る場所」ではありません
以前の記事では、
整形外科は骨や構造的な異常を中心に診断するため
肩こりの原因が分かりにくい、と説明していました。
しかし整形外科では、
骨や関節だけでなく、
神経症状、筋力、反射、動き、痛みの経過なども含めて診察
します。
必要に応じて、
X線、MRIなどの検査、
薬物療法、
リハビリテーションなどが行われます。
肩こりが長引く時に考えられること
肩こりは、
一つの原因だけで起こるとは限りません。
複数の要素が重なっている場合もあります。
1.長時間同じ姿勢が続いている
パソコン作業やスマートフォンの使用、
車の運転などで
長時間同じ姿勢が続くと、
首肩に負担を感じることがあります。
「悪い姿勢だから肩がこる」と決めつけるより、
一つの姿勢を長時間続けていないか
を確認することも大切です。
2.仕事内容や日常動作による負担
デスクワークだけでなく、
介護、
育児、
重い物を持つ仕事、
同じ動作を繰り返す仕事などでも
肩や首へ負担がかかることがあります。
仕事中だけでなく、
帰宅後や休日の身体の使い方まで確認すると
負担の原因が見えてくることがあります。
3.睡眠不足・疲労
睡眠不足や疲労が続いている時に、
痛みや身体の不快感を
いつもより強く感じることがあります。
逆に、
首肩の痛みが強いために
睡眠が妨げられている場合もあります。
4.精神的な緊張やストレス
仕事や人間関係などで緊張が続く時に、
無意識に肩をすくめたり、
歯を食いしばったりする方もいます。
ただし、
肩こりをすべて「ストレス」や
「自律神経の乱れ」のせいにすることも適切ではありません。
5.首・肩周囲の疾患
頸椎の問題や肩関節の疾患などによって
首肩周囲に痛みを感じる場合があります。
特に腕や手のしびれ、
筋力低下などを伴う場合には、
単なる肩こりとして扱わないことが大切です。
6.頭痛を伴う肩こり
首肩のこりとともに
頭痛を訴える方もいます。
頭痛には緊張型頭痛や片頭痛などがあり、
原因や対応は同じではありません。
突然これまでに経験したことのない強い頭痛が出た場合などは、
肩こりとして様子をみないでください。
「血流が悪いから肩がこる」とは限りません
肩こりについて、
「筋肉が硬くなる
→血流が悪くなる
→老廃物がたまる
→肩こりになる」
という説明を見かけることがあります。
しかし、
慢性的な肩こりを
この一つの流れだけで説明することはできません。
筋肉・神経系・身体活動・睡眠・心理的要因など、
さまざまな要素を含めて考えること
が大切です。
「以前は異常なし」でも、もう一度受診した方がよい症状
一度整形外科で大きな異常がないと言われていても、
その後に症状が変化した場合には
再評価が必要になることがあります。
- 手や腕のしびれが強くなっている
- 手・腕に力が入りにくい
- 箸やボタンなど細かい動作が急にしにくくなった
- 歩きにくい、足がもつれる
- 突然、片側の手足が動かしにくくなった
- ろれつが回らない、顔に左右差が出た
- 突然これまでにない激しい頭痛が起きた
- 強い胸痛や息苦しさを伴う
- 発熱を伴って強く痛む
- 転倒・事故の後から症状が強くなった
- 原因の分からない体重減少がある
- 安静にしていても強い痛みが続く
「一度検査で異常なしだったから大丈夫」
と考えず、新しい症状や変化があれば再度相談しましょう。
整形外科で大きな異常がない肩こりに鍼灸は役立つ?
慢性的な首肩の痛みや肩こりに対して、
鍼灸を利用する方はいます。
鍼刺激と痛みの調節、
身体機能などについては
さまざまな研究が行われています。
そのため、
必要な医学的評価を受けたうえで、
慢性的な肩こりに対する
選択肢の一つとして鍼灸を取り入れることがあります。
ただし、
「整形外科で分からない原因を鍼灸なら見つけられる」
「鍼灸なら肩こりを根本的に治せる」
という意味ではありません。

肩こりのお悩みでは、身体の状態を確認しながら施術内容を決めます(施術イメージ)
肩だけに鍼をするとは限りません
肩がつらいからといって、
必ず肩だけに鍼をするわけではありません。
首肩の動き、
腕の症状、
身体全体の状態などを確認しながら、
施術する場所や刺激量を選択します。
その日の状態によっては、
手足など肩から離れた部位へ
鍼を行う場合もあります。
鍼灸は「自然治癒力を高めるから効く」とは説明しません
以前の記事では、
鍼灸によって自然治癒力を高めると説明していました。
鍼刺激による神経系の反応などについては研究されていますが、
「自然治癒力が高まったから肩こりが治る」
という仕組みが確認されているわけではありません。
自律神経を「正常化する」施術でもありません
肩こりとともに、
疲労感や睡眠のお悩みがある方もいます。
鍼刺激と自律神経系の反応について研究はありますが、
施術によって交感神経と副交感神経を
自由に調整できるわけではありません。
「鍼灸で自律神経を整えれば肩こりが治る」
という一つの説明だけで考えないことが大切です。
経絡治療では身体全体を東洋医学的に確認します
たかはし治療院では、
東洋医学の考え方に基づく経絡治療を行っています。
症状だけではなく、
脈や腹部などの状態も確認し、
東洋医学的に身体の状態を整理します。
そのうえで、
使用する経絡や経穴を選択します。
なお、
東洋医学の「気」「血」「経絡」は、
現代医学でいうエネルギー・血液・神経そのものではありません。
伝統医学の体系の中で身体を捉えるための概念です。
あん摩マッサージ指圧を組み合わせる場合
首肩や背中の張り、
重だるさなどがある場合には、
あん摩マッサージ指圧を組み合わせることがあります。
施術後に
「肩が軽く感じる」
「首を動かしやすい」
と感じる方もいます。
ただし、
強く揉めば揉むほど効果が高くなるわけではありません。
身体の状態に応じて刺激量を調整します。
鍼灸とマッサージはどちらが肩こりにいい?
これはよくいただくご質問ですが、
どちらが必ず優れているというものではありません。
鍼刺激が苦手な方もいれば、
手技より鍼の方が受けやすいという方もいます。
たかはし治療院では、
身体の状態やご希望に応じて、
鍼灸とあん摩マッサージ指圧を組み合わせる
場合があります。
たかはし治療院で肩こりをみる時に確認していること
当院では、
「肩が硬いから肩へ鍼をする」
という一つのパターンだけで施術を行いません。
まず現在の症状を確認します。
- いつ頃から肩こりがあるか
- 首・肩のどこがつらいか
- 首や肩を動かした時に痛みがあるか
- 腕や手のしびれがあるか
- 筋力低下がないか
- 頭痛を伴っているか
- めまい・ふらつきなどがあるか
- 睡眠の状態
- 仕事・家事など日常生活での負担
- 整形外科などで受けた検査・診断内容
- 服用している薬
必要な医学的評価がまだ十分ではないと考えられる場合には、
先に医療機関への相談をおすすめします。

その日の身体の状態や症状に合わせ、施術内容と刺激量を調整します(施術イメージ)
施術前後では「肩が柔らかいか」だけを見ません
肩を触った時の硬さだけでは、
日常生活でどの程度困っているのかは分かりません。
そのため、
次のような変化も確認します。
- 首を動かしやすくなったか
- 仕事中の肩のつらさが変化したか
- 頭痛の頻度が変化したか
- 夜の肩のつらさが変化したか
- 日常生活で困る場面が減ったか
施術直後に楽になったことと、
肩こりの原因そのものが解決したことは同じではありません。
その後の経過も確認します。
初めて鍼灸を受ける時の流れ
1.カウンセリング
肩こりの経過、
医療機関での診断、
日常生活で困っていることなどをお伺いします。
2.身体の状態を確認
必要に応じて
首肩の動きや身体の状態などを確認します。
経絡治療を行う場合には、
東洋医学的な脈や腹部の状態なども参考にします。
3.施術
身体の状態やご希望に応じて、
鍼灸、
経絡治療、
あん摩マッサージ指圧などを組み合わせます。
4.施術後の確認
首肩の動きや
患者さん自身が感じている変化などを確認し、
その後の経過を見るポイントをお伝えします。
鍼は痛い?
鍼灸で使用する鍼は細いものが中心ですが、
「まったく痛くない」と保証することはできません。
刺す時にチクッと感じたり、
鍼特有の重だるい感覚を感じたりする場合があります。
鍼への不安が強い方は、
施術前にお伝えください。
刺激量を調整しながら行います。
鍼灸を受ける時の注意点
鍼灸を受けるために、
必ず空腹にしたり、
施術後は絶対に運動してはいけない、
というものではありません。
ただし、
極端な空腹・満腹、
大量の飲酒直後、
体調が非常に悪い時などには
施術を延期した方がよい場合があります。
また鍼灸では、
刺した場所の一時的な痛み、
重だるさ、
少量の出血、
皮下出血などが起こることがあります。
施術後の運動についても、
体調を見ながら無理のない範囲で行いましょう。
肩こりが続く時に自分でできること
肩こり対策というと、
ストレッチや肩揉みばかりを考えがちですが、
日常生活の負担を確認することも大切です。
1.同じ姿勢を長時間続けない
「正しい姿勢をずっと維持する」ことより、
適度に立ち上がる、
少し歩く、
姿勢を変えることを意識してみましょう。
2.無理のない範囲で身体を動かす
ウォーキングなど、
続けやすい身体活動を生活に取り入れる方法があります。
痛みが増える運動を無理に続ける必要はありません。
3.強く揉み続けない
肩が硬いと
強く押したくなることがありますが、
痛みが出るほど強く刺激する必要はありません。
心地よい程度を基本にしましょう。
4.睡眠も確認する
肩こりが慢性化している方は、
睡眠時間や起床時間、
寝付き、
夜中に目が覚めていないかなども
一緒に確認してみましょう。
大磯・平塚・小田原で肩こりの鍼灸をお探しの方へ
たかはし治療院は大磯町にあり、
肩こり・首こりなどのお悩みについて
大磯だけでなく平塚・小田原方面からご相談いただくこともあります。
整形外科で必要な診察を受け、
大きな異常はないと言われたものの、
肩こりが続いているという方もご相談ください。
医療機関と鍼灸を二者択一にする必要はありません。
必要な医学的評価を受けながら、
身体の状態に応じて鍼灸を併用することもできます。
整形外科で異常なしと言われた肩こりと鍼灸|よくあるご質問
Q. レントゲンで異常なしなのに、なぜ肩が痛いのですか?
画像検査ですべての痛みや肩こりの原因が分かるわけではありません。
症状は身体の動き、活動、睡眠、心理的要素など
複数の要因と関係していることがあります。
Q. 整形外科で異常なしなら鍼灸を受けてもいいですか?
必要な医学的評価を受けたうえで、
慢性的な肩こりに鍼灸を利用する方はいます。
診断内容や検査結果があれば、
初回にお知らせください。
Q. 鍼灸で肩こりは治りますか?
肩こりに鍼灸を利用することはありますが、
すべての方が治ると保証することはできません。
症状の背景や日常生活での負担なども含めて
経過を見る必要があります。
Q. 肩こりに鍼をすると血流が良くなるのですか?
鍼刺激に伴う局所的な循環反応などは研究されていますが、
肩こりを単純に「血流が悪い病気」と考えることはできません。
血流だけを改善すれば肩こりが治るというものでもありません。
Q. マッサージではすぐ戻ります。鍼なら根本改善できますか?
鍼灸だから根本改善、
マッサージだから一時的という区別はできません。
日常生活で同じ負担が続いていれば、
どの施術でも再び症状を感じることがあります。
施術と生活上の対策を一緒に考えることが大切です。
Q. 肩こりと頭痛があります。鍼灸でも大丈夫ですか?
頭痛の状態によって鍼灸を利用する場合があります。
ただし、
突然の激しい頭痛、
手足の麻痺やしびれ、
ろれつの回りにくさなどを伴う場合には
医療機関を優先してください。
Q. 何回くらい通えば肩こりが良くなりますか?
肩こりが続いている期間、
症状の程度、
日常生活での負担、
施術後の経過などによって異なります。
最初から一律の回数を決めず、
経過を確認しながら相談します。
Q. 定期的に鍼を受ければ肩こりを予防できますか?
肩こりの再発を予防できると保証することはできません。
身体活動、仕事での負担、睡眠などを含めて
日常生活を見直すことも大切です。
まとめ|「異常なし=何も問題がない」ではありません
整形外科でレントゲンなどの検査を受け、
大きな異常が見つからなくても、
肩こりや痛みそのものがなくなるわけではありません。
長時間同じ姿勢を続けること、
仕事での身体的負担、
睡眠不足、
ストレスなど、
さまざまな要素が症状に関係する場合があります。
一方で、
新しいしびれや筋力低下などが出た場合には、
「以前は異常なしだったから」と自己判断せず、
再度医療機関で評価を受けることが重要です。
鍼灸については、
自然治癒力を高めて根本治療する、
血流を改善すれば肩こりが治る、
自律神経を正常化するという施術ではありません。
必要な医学的評価を受けたうえで、
慢性的な肩こりに対する
補完的な選択肢の一つとして利用することができます。
たかはし治療院では、
症状の経過、
首肩の動き、
頭痛・しびれの有無、
整形外科での診断内容などを確認し、
必要に応じて
経絡治療・身体への鍼・YNSA・
あん摩マッサージ指圧などを組み合わせています。
肩の硬さだけを見るのではなく、
首肩の動き、頭痛・しびれの有無、
仕事や睡眠など日常生活、
医療機関での診断内容も確認しながら
その日の身体に合わせて施術を考えます。
たかはし治療院
院長 高橋道明




