コラム
腰痛と腸は関係する?便秘・腹部の不調と腰痛をどう考える|大磯・平塚
腰痛に悩んでいる方は、とても多くいらっしゃいます。
腰椎椎間板ヘルニア、
脊柱管狭窄症、
腰椎すべり症、
筋肉や関節などが関係する腰痛など、
「腰痛」と呼ばれる症状の背景はさまざまです。
また、
医療機関で画像検査を受けても、
痛みの原因を一つに特定できない腰痛もあります。
そんな腰痛について、
「腸やお腹の状態も関係することがあるのでは?」
と疑問に思ったことはありませんか?
便秘やお腹の張りが強い時に腰まで重く感じる、
腹部の調子が悪い時に腰の違和感も気になる、
という方もいます。
ただし、
腰痛の多くが腸から起きている、
あるいは腸を整えれば腰痛が治る、
と単純に考えることはできません。
腰痛と腸は本当に関係するのでしょうか?
まず知っておきたいのは、
腰と腹部は身体の中でまったく別々に存在しているわけではない、
ということです。
腰椎の前方には腹腔があり、
腹部には小腸や大腸をはじめ、
さまざまな臓器があります。
また、
腰や股関節の動きに関係する筋肉の中には、
腹部の深い位置を通るものもあります。
そのため、
腰・骨盤・腹部は
身体の動きや姿勢を考えるうえでは
互いに無関係ではありません。

腰と腹部は身体の中で近い位置にありますが、腰痛の原因を腸だけに限定して考えることはできません(イメージ)
腸は腹部の大きな部分を占めています
小腸と大腸は、
腹部の広い範囲に存在しています。
小腸だけでも数メートルの長さがあり、
その周囲には血管や神経、
さまざまな組織があります。
そのため、
腹部に張りや不快感がある場合に、
腰周囲にも「重い」「動きにくい」といった感覚を
同時に感じる方がいても不思議ではありません。
便秘やお腹の張りがあると腰もつらくなる?
便秘が続いている時に、
お腹の張りや不快感とともに
腰の重さを感じる方もいます。
しかし、
「便秘になると腸が腰の筋肉を緊張させ、
それが腰痛になる」
と一律に説明することはできません。
お腹が張っていることで
普段と姿勢が変わったり、
身体を動かしにくく感じたりする可能性もあります。
また、
腹部の不快感と腰痛が
それぞれ別の原因で同時に起きていることもあります。
食べ過ぎと腰痛も直接結びつけない
食べ過ぎた後に、
お腹が張り、
身体を前に曲げにくいと感じることがあります。
その結果、
一時的に腰周囲まで窮屈に感じる方もいるでしょう。
ただし、
食べ過ぎによって腰痛そのものが発症する、
という単純な因果関係ではありません。
腰を支える筋肉と腹部の関係
腰痛を考える時には、
腰の後ろ側にある筋肉だけでなく、
身体の前側や股関節周囲の筋肉も関係します。
代表的なものの一つが、
腸腰筋と呼ばれる筋肉です。
腸腰筋は、
腰椎から骨盤・大腿骨周囲へつながり、
股関節を曲げる動作などに関係します。
長時間座っている生活や、
繰り返し股関節を使う動作などで、
この周囲に張りを感じる方もいます。
ただし、
「腸腰筋が硬いことが腰痛の根本原因」
と全員に当てはめることもできません。

腰痛では痛む場所だけでなく、股関節や下肢の動きなども確認しながら身体の状態をみていきます(施術イメージ)
腰痛では「どこが硬いか」だけでなく動きも確認します
腰痛の方をみる時には、
筋肉の硬さだけで原因を判断することはできません。
前へ曲げた時に痛いのか、
後ろへ反った時に痛いのか、
身体をひねった時に痛いのかによっても
状態は異なります。
さらに、
股関節や下肢を動かした時の状態、
歩行、
脚への痛みやしびれなども確認します。
このように、
腰痛は身体全体の動きも含めて考えること
が大切です。
腰痛とストレス・脳との関係
痛みは、
単純に「傷んでいる場所から脳へ信号が送られるだけ」
というものではありません。
特に慢性的な痛みでは、
睡眠、疲労、不安、ストレスなど
さまざまな要素によって
痛みの感じ方が変化することがあります。
例えば、
仕事が非常に忙しい時期や
眠れていない時に
腰痛をいつも以上に強く感じる方もいます。
だからといって、
「腰痛はストレスが原因」
「気持ちの問題」
という意味ではありません。
身体の状態と生活環境の両方を確認することが大切です。
「脳腸相関」という考え方
近年、
脳と腸がお互いに影響し合う
「脳腸相関」についても研究されています。
ストレスを感じると
胃腸の調子が変化したり、
腹部の不調が気分に影響したりすることは
経験したことがある方もいるでしょう。
ただし、
脳腸相関の研究があることと
「腸の状態が腰痛を起こしている」
ということは別の話です。
腰痛・腹部症状・ストレスなどが重なっている場合には、
それぞれを分けながら考えていく必要があります。
腰痛とお腹の症状がある時に注意したいこと
腰痛の原因は、
筋肉や腰椎だけとは限りません。
腹部や骨盤内の病気などが
腰や背中の痛みとして感じられる場合もあります。
- 強い腹痛を伴う
- 発熱がある
- 嘔吐が続いている
- 血便や黒い便がみられる
- 排尿時の痛みや血尿がある
- 急に強い腰痛が起きた
- 安静にしていても強い腰痛が続く
- 原因不明の体重減少がある
- 脚の筋力低下が進んでいる
- 排尿・排便の異常や会陰部の感覚異常がある
こうした症状がある場合には、
「腸が疲れているだけ」
「筋肉の腰痛だろう」
と自己判断せず、
医療機関へ相談してください。
腰痛に対してたかはし治療院で確認すること
たかはし治療院では、
腰痛という症状名だけで
施術方法を決めることはありません。
痛みの場所や動作、
脚への症状、
医療機関での検査内容などを確認します。
- 腰痛が始まった時期
- 痛む場所
- 前屈・後屈・ひねりなどでの変化
- 臀部や脚への痛み・しびれ
- 筋力低下の有無
- 歩行状態
- 腹部症状の有無
- 便秘など日常的なお悩み
- 睡眠・疲労の状態
- 医療機関での検査・診断内容
必要に応じて、
経絡治療・YNSA(山元式新頭鍼療法)・
腰や臀部への鍼・あん摩マッサージ指圧などを
組み合わせて施術します。

腰痛では身体の状態を確認し、必要に応じて腰・臀部・背部などへ鍼を行います(施術イメージ)
東洋医学では腹部の状態も確認します
当院で行う経絡治療では、
脈だけでなく腹部の状態を確認することがあります。
東洋医学では、
脈や腹部など身体に現れている情報を参考にし、
「経絡」「気」「血」などの概念を用いて
身体の状態を考えてきました。
これらは現代医学における
腸・神経・血管などと同じものではありません。
東洋医学独自の身体の捉え方として用い、
腰痛の原因を腹部だけに決めつけることはありません。
便秘や腰痛が気になる時の日常生活
腰痛と便秘が同時にある場合にも、
特別な「腸活」だけで解決しようとする必要はありません。
まずは基本的な生活を確認してみましょう。
長時間座り続けない
デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けている方は、
時々立ち上がったり、
短時間歩いたりすることを取り入れてみましょう。
「完璧な姿勢を維持する」ことより、
同じ姿勢を長時間続けないことが大切です。
水分や食生活を見直す
便秘が気になる場合には、
普段の水分摂取や食事内容を確認してみましょう。
ただし、
食物繊維などを急に大量に摂ればよいとは限りません。
症状が強い場合や便秘が長く続く場合には
医療機関へ相談してください。
無理のない範囲で身体を動かす
体調に問題がなければ、
散歩などの軽い身体活動も取り入れやすい方法です。
腰痛が強くなる運動や
脚のしびれが増える動作は無理に続けず、
症状に応じて医療機関へ相談しましょう。
まとめ|腰痛と腸は「関係することもある」が、原因を一つに決めつけない
腰と腹部は身体の中で近い位置にあり、
腰や股関節の動きに関係する筋肉も
腹部の深いところを通っています。
便秘や腹部膨満感がある時に、
腰の重さや動きにくさを同時に感じる方もいます。
しかし、
「腸の動きが悪いから周囲の筋肉が硬くなり、
それが腰痛を起こす」
という一つの仕組みだけで説明することはできません。
腰痛には、
腰椎、筋肉、関節、
生活環境など
さまざまな要素が関係します。
また、
腹痛・発熱・排尿排便の異常などを伴う腰痛では、
内臓の病気が関係する可能性もあるため、
医療機関での確認が必要です。
腰痛を「腰だけ」あるいは「腸だけ」の問題とせず、
身体全体の状態と症状の経過を確認すること
が大切です。
腰のつらい場所だけでなく、
身体の動きや脚の症状、
医療機関での診断内容なども確認しながら、
その日の状態に合わせて施術を行います。
たかはし治療院
院長 高橋道明




