コラム
パーキンソン病に鍼灸は役立つ?症状・標準治療とYNSAの考え方|大磯・平塚・小田原
YNSAパーキンソン鍼灸・施術
「手の震えが気になる」
「以前より動作がゆっくりになった」
「歩き始めに足が出にくい」
「薬を飲んでいても、身体のこわばりや動きにくさが気になる」
「パーキンソン病に鍼灸やYNSAは役立つの?」
パーキンソン病は、
身体の動きに関係する神経系に変化が起こる
進行性の神経変性疾患です。
震えや筋肉のこわばりだけでなく、
歩行、
姿勢、
睡眠、
便秘、
気分など、
さまざまな症状がみられることがあります。
治療の中心となるのは、
神経内科などで行われる薬物療法やリハビリテーションなどの標準的な医療
です。
一方で、
現在の治療を続けながら、
身体のこわばりや痛み、
動きにくさなどのケアを目的として
鍼灸を利用する方もいます。
この記事では、
パーキンソン病の主な症状、
一般的な治療、
鍼灸を利用する場合の考え方、
そしてたかはし治療院で使用している
YNSA(山元式新頭鍼療法)
について分かりやすくご紹介します。
1.パーキンソン病とは?
パーキンソン病は、
脳の中で運動の調節に関係する神経系に変化が起こる
神経変性疾患です。
特に、
脳の黒質と呼ばれる部分にある
ドパミンを作る神経細胞が減少し、
運動を調節する神経回路に影響することが知られています。
ただし、
「ドパミンが不足しただけの病気」
というほど単純ではありません。
運動症状以外にも、
睡眠や消化器症状、
自律神経症状、
気分や認知機能など、
幅広い症状がみられることがあります。

パーキンソン病では、動作だけでなく服薬状況や日常生活で困っていることも確認します
2.パーキンソン病の主な症状
パーキンソン病の症状には
大きく分けて
運動症状と非運動症状
があります。
代表的な運動症状
- 安静時にみられることがある手足の震え
- 動作がゆっくりになる
- 筋肉のこわばり
- 歩幅が小さくなる
- 歩き始めに足が出にくい
- 方向転換がしにくい
- 姿勢やバランスを保ちにくくなる
症状の出方や進行には
かなり個人差があります。
運動症状以外にもさまざまな症状があります
パーキンソン病では、
身体の動きだけを見ればよいわけではありません。
- 便秘
- 睡眠のお悩み
- 嗅覚の変化
- 立ちくらみ
- 排尿に関するお悩み
- 疲労感
- 気分の落ち込み
- 不安感
- 認知機能の変化
こうした症状も含めて、
神経内科で継続して診療を受けることが大切です。
3.パーキンソン病の一般的な治療
パーキンソン病の治療では、
症状や年齢、
生活状況などを考えながら
薬物療法が行われます。
代表的な治療として、
不足しているドパミンの働きを補うことを目的とした
レボドパを中心とする薬物療法
などがあります。
そのほかにも、
状態に応じてさまざまな薬が使用されます。
薬の種類・量・服用時間については、
自己判断で変更せず主治医へ相談してください。
リハビリテーション・運動も重要です
薬物療法だけでなく、
理学療法、
作業療法、
言語・嚥下に対するリハビリテーションなども
重要な治療の一部です。
歩行、
姿勢、
筋力、
日常生活動作などを維持するため、
状態に合わせた身体活動や運動が勧められることもあります。
また、
薬だけでは症状の調整が難しくなった場合などには、
条件によって手術療法が検討されることもあります。
4.パーキンソン病に鍼灸は役立つ?
パーキンソン病に対する鍼灸については、
国内外でさまざまな研究が行われています。
一方で、
研究方法や対象となる患者さん、
使用する鍼灸方法などに違いがあり、
現時点で鍼灸がパーキンソン病そのものの進行を止めたり、
失われたドパミン神経細胞を回復させたりする治療とは言えません。
そのため、
鍼灸は神経内科での治療に代わるものではありません。
薬物療法やリハビリテーションなどを続けながら、
身体のこわばり、痛み、首肩こりなど
日常生活で困っている症状への補助的なケア
として検討する方法の一つです。
鍼灸を受けるために、
パーキンソン病の薬を減らしたり中止したりする必要はありません。
薬の変更は必ず主治医へ相談してください。
5.YNSA(山元式新頭鍼療法)とは?
たかはし治療院では、
状態に応じて
YNSA(Yamamoto New Scalp Acupuncture/山元式新頭鍼療法)
を使用することがあります。
YNSAは、
山元敏勝医師によって考案された
頭皮への鍼療法です。
身体の症状や反応を確認しながら
頭部の施術点を選択する方法で、
世界各地で臨床に取り入れられています。
ただし、
「頭に鍼をすると脳が活性化する」
「神経伝達が回復する」
「ドパミンが増える」
という仕組みとして説明することはしていません。

身体の状態や反応を確認しながら、YNSAの施術点を選択します(施術イメージ)
YNSAでパーキンソン病は治りますか?
YNSAによって
パーキンソン病そのものが治る、
病気の進行が止まるとは言えません。
また、
施術直後に
「身体が動かしやすく感じる」
「こわばりが少し楽に感じる」
などの変化があったとしても、
それだけで病気そのものが改善したことを意味するわけではありません。
施術を利用する場合には、
その後の日常生活の中で
どのような変化があったかを確認することが重要です。
6.たかはし治療院ではパーキンソン病の方の何を確認する?
当院では、
「パーキンソン病だからこのツボ」
と一律に施術を決めることはありません。
まず、
現在どのようなことで困っているのかを確認します。
- パーキンソン病と診断された時期
- 現在の主な症状
- 震え・こわばり・動きにくさ
- 歩行や方向転換の状態
- 転倒の有無
- 首肩・腰・手足などの痛み
- 睡眠の状態
- 便秘など現在困っている症状
- 現在使用している薬
- 薬を飲んでから効いている時間帯
- 薬の効果が弱くなる時間帯があるか
- 神経内科での診療内容
- 日常生活で特に困っている動作
特にパーキンソン病では、
服薬によって動きやすい時間と
動きにくい時間が変化することがあるため、
施術前後だけを比較して結論を出さないことも大切です。

施術前後では、身体の動きや本人が感じる変化などを確認します(施術イメージ)
7.たかはし治療院での施術の流れ
① カウンセリング
現在の症状、
医療機関での診断、
服薬状況、
生活の中で困っていることなどをお聞きします。
神経内科から渡されている資料や
お薬手帳などがある場合には参考になります。
② 身体の状態を確認
無理のない範囲で、
立ち上がり、
歩行、
首肩や手足の動きなど
現在困っている動作を確認します。
転倒リスクがある場合には、
無理に動作テストを行いません。
③ YNSA・鍼灸
その日の状態に応じて、
YNSAや身体への鍼を使用します。
東洋医学的な状態を確認して、
経絡治療を組み合わせることもあります。
④ あん摩マッサージ指圧
首肩や腰などに
筋肉の張りや痛みがある場合には、
状態に応じてあん摩マッサージ指圧を組み合わせます。
強い刺激が良いとは限らないため、
身体の状態を確認しながら刺激量を調整します。
⑤ 施術後の確認
施術前に確認した動作や、
本人が感じる身体の状態を再度確認します。
施術直後の変化だけでなく、
帰宅後や翌日以降の日常生活でどうだったか
も次回の施術時に確認します。
8.「震えが消えた・消えない」だけで経過を見ない
パーキンソン病の症状は、
服薬時間や体調などによって
一日の中でも変動することがあります。
そのため、
鍼灸の経過を見る場合にも
一つの症状だけで判断しないことが大切です。
- 立ち上がりやすさ
- 歩行時の動きやすさ
- 首肩や腰の痛み
- 身体のこわばり感
- 日常生活でできること
- 疲労感
- 睡眠の状態
- 本人が感じる生活上の負担
一時的な変化と、
パーキンソン病そのものの進行とは
分けて考える必要があります。
9.このような変化があった場合には主治医へ
パーキンソン病で鍼灸を利用している場合でも、
病状の管理は神経内科などで継続することが重要です。
- 急に歩けなくなった
- 転倒が急に増えた
- 飲み込みにくさ・むせ込みが強くなった
- 意識状態がいつもと違う
- 幻視や強い混乱が出ている
- 薬を飲んでも急に動けない時間が増えた
- 強い立ちくらみや失神がある
- 発熱などとともに急激に状態が悪化した
症状が大きく変化した場合には、
鍼灸だけで様子をみず主治医へ相談してください。
10.鍼灸を受ける前に知っておきたいこと
鍼は細いものを使用しますが、
まったく刺激がないわけではありません。
- 刺入時にチクッと感じることがある
- 重い・響くような感覚が出る場合がある
- 少量の出血が起こる場合がある
- 皮下出血・青あざができる場合がある
- 施術後に一時的な疲労感やだるさを感じる場合がある
強い症状や新しい症状が出た場合を
「好転反応だから大丈夫」と考えず、
必要に応じて医療機関へ相談してください。
パーキンソン病・YNSA・鍼灸についてよくあるご質問
Q. 鍼灸でパーキンソン病は治りますか?
鍼灸によってパーキンソン病そのものが治る、
進行が止まると保証することはできません。
神経内科での標準治療を継続したうえで、
補助的なケアとして利用する方法の一つです。
Q. YNSAで震えは止まりますか?
すべての方の震えが止まるとは言えません。
また、施術前後で震え方に変化がみられたとしても、
服薬のタイミングや体調による変動も考慮する必要があります。
Q. YNSAは脳を活性化する治療ですか?
そのようには説明していません。
YNSAは頭皮へ鍼を行う方法ですが、
鍼によって脳の機能を直接活性化したり、
ドパミン神経を回復させたりすることが
確立しているわけではありません。
Q. パーキンソン病の薬と鍼灸を併用できますか?
状態に応じて併用することがあります。
服用している薬について来院時にお知らせください。
薬を自己判断で減量・中止しないでください。
Q. 鍼を受けた後に動きやすくなれば、病気が改善したということですか?
一時的に動きやすさを感じても、
それだけで病気そのものが改善したとは判断できません。
服薬時間や体調による変化もあるため、
その後の日常生活も含めて確認します。
Q. 何回くらい通えばよいですか?
一律の回数はありません。
病状、
現在困っている症状、
施術後の変化、
通院負担などを確認しながら、
継続するかどうかを相談します。
Q. 神経内科へ通いながら受けても大丈夫ですか?
はい。
むしろパーキンソン病では
神経内科での継続的な診療が重要です。
鍼灸は医療機関での治療に代わるものではなく、
必要な治療と併用して考えます。
まとめ|パーキンソン病では標準治療を中心に、鍼灸は補助的な選択肢として
パーキンソン病は、
震え、
動作の遅さ、
筋肉のこわばり、
歩行の変化などだけでなく、
睡眠や便秘などさまざまな症状を伴うことがある病気です。
治療の中心となるのは、
神経内科での薬物療法、
リハビリテーション、
運動などの標準的な治療
です。
鍼灸やYNSAによって、
パーキンソン病そのものを治したり、
病気の進行を止めたりすることを
保証することはできません。
一方で、
現在の治療を続けながら、
身体のこわばり、
首肩や腰の痛み、
日常生活で感じる身体のつらさなどに対する
補助的なケアとして鍼灸を利用する
という考え方はあります。
たかはし治療院では、
病名だけで施術を決めるのではなく、
服薬状況、
動きやすい時間帯、
歩行や身体の動き、
痛み、
睡眠などを確認しながら、
YNSA・経絡治療・身体への鍼・
あん摩マッサージ指圧などを状態に応じて組み合わせます。
神経内科での治療を大切にしながら、
現在困っている動作や身体のこわばり、
首肩・腰のつらさなどを確認し、
状態に合わせて施術を行います。
たかはし治療院
院長 高橋道明




